実家に帰ってしまった妻から、もう戻る気はないといわれてしまったHHさん/30代男性の場合

30代・男性・結婚5年・子ども1人

子どもの出産のとき、ちょうど新しい仕事のチャンスがあったため、単身赴任で離れて暮らしていました。

妻もはじめての育児に大変だったとは思いますが、自分も目一杯で、つい顔をあわせると暴言を吐いてしまうような状態でした。 結婚当初から金銭的なことは各自で管理していたが、自分は金遣いが荒く、貯金できませんでした。事業の借金もあり、妻は不安に思っていたかもしません。

その後単身赴任からもどり、一緒に暮らすようにりましたが、しばらくして妻から別居したいと言われ、とうとう実家に子どもを連れて帰ってしまいました。

解説

HHさんも思っていらしゃるように、きっかけは奥様への暴言あろうと 思われますが、主な原因は、ご本人の新しい仕事のチャンスに奮闘したい思いが先行してしまった為、始めての出産を控え不安な思いをしていた奥様に対し、思いやる気持ちが 伝わっていなかったことでしょう。

積み重なった不満、不信感は、一緒に暮らすようになっても消えることはなく、奥様は別居 の選択をされてしまいました。

将来への不安と寂しさ、積もった不信感を抱えた奥様の気持ちを理解されたHHさんは、挽回したいと別居解消の努力をされました。奥様、お子さんと頻繁に会う時間を作り、 暴言や金銭的な問題についてもきちんと話し合いをされました。戻る気はないと頑なな態度を見せていた奥様でしたが、HHさんの家族を大切にしている思いが伝わり、次第に安心されてきました。

その後別居を解消、同居への準備をされるまでにいたりました。

このケースのポイント

仕事のストレス、社会的な鬱積を家庭内に持ち込み、妻に暴言を吐いたり、さらには暴力をふるったりで家庭が崩壊してしまうケースは少なくありません。 HHさんの場合、暴力はありませんでしたが、妻や子どもに与えてしまった悲しみ・辛さは大きなもので、別居、さらには離婚まで至っても不思議はない状態でした。

しかし、HHさんは、暴言を吐いてしまった原因がしっかりわかっていたこと、家族をとても大切に思っていたこと、そしてなにより奥様が精神的に追い込まれ心身の病気となる前に対処できたことが、改善の鍵となりました。

とりかえしのつかない状況に追い込まれる前に、早期の対処が大切だと教えてくれたケースです。